主演の奈緒さんが希望したインティマシーコーディネーターを監督の三木康一郎さんが拒否したことが大きく炎上しています。
そんな中、「あらすじ」から削除された一文が話題になっています。
『先生の白い嘘』が炎上した理由をまとめると
7月5日公開の映画『先生の白い噓』は、7月4日に公開された三木康一郎監督へのインタビュー記事での次の一文がきっかけで炎上しました。
「奈緒さん側からは『インティマシー・コーディネーター(性描写などの身体的な接触シーンで演者の心をケアするスタッフ)を入れて欲しい』と言われました。すごく考えた末に、入れない方法論を考えました。間に人を入れたくなかったんです。ただ、理解しあってやりたかったので、奈緒さんには、女性として傷つく部分があったら、すぐに言って欲しいとお願いしましたし、描写にも細かく提案させてもらいました。性描写をえぐいものにしたくなかったし、もう少し深い部分が大事だと思っていました」
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撮影時は2022年。
インティマシーコーディネーターが話題になったのは「#Metoo」運動の時で、2018年に初めてアメリカで導入されました。
撮影があった2022年当時日本で話題だったのは、相次ぐ映画監督の性強要事件です。
撮影の中で、契約になかった服を全部脱ぐシーンを入れられた、キャスティングのために関係を強要された、という、なんとも痛ましい告発がありました。
被害を訴えた女優さんの一人は、その後命を絶っています。
そんな中こういった性被害の作品に出ることを決めた奈緒さんは、そりゃインティマシーコーディネーターを求めるでしょう。
なのに、三木康一郎監督は拒否をした。
参考までに、当時告発された監督の一人である榊英雄は今年2月に逮捕されています。
炎上の理由を理解していない三木康一郎監督
インティマシーコーディネーターの件で炎上したまま公開初日を迎え、監督や主要キャストは舞台あいさつでこの件について触れました。
注目された三木康一郎監督のコメントは次の通り。
「私の不用意な発言により皆さまに多大なご心配とご迷惑をおかけしたことをこの場で謝罪したいと思います。本当に申し訳ありませんでした」
スポニチ
原作者やキャストなど関係者にも謝罪していましたが、わかっていないですよね。
確かに炎上の原因は、三木康一郎監督の不用意な発言=インティマシーコーディネーターを要望されたのに断ったことを話したことです。
これを言わなければ炎上しなかったのは確かでしょう。
でもネットで怒りの声が上がっているのは、三木康一郎監督がそれを話したことではなく、インティマシーコーディネーターを要望されたのに断った、その事実です。
つまり、三木康一郎監督は関係者に炎上させてしまったことを詫びていますが、炎上の原因については触れていない。
それはもう裏で謝罪すればいいだけのことなのに、真の問題を理解していないで、よくこんなデリケートなテーマの作品を撮ろうと思ったなと。
あらすじから削除されたのは、「快楽に溺れ」
読解力、理解力、想像力が欠如してるのかなと思ったのは、作品の説明であるこの部分です。
本作は、男女間の性の格差、女性の秘められた性の快楽を描いた コミックの映画化。主人公は高校教師の原美鈴(奈緒)。親友の渕野美奈子(三吉彩花)から結婚を告げられるが、その相手とは、かつて強引に自分の体を奪ったエリートサラリーマンの早藤(風間俊介)だった。美鈴は二面性のある早藤に嫌悪しながら、どこか引かれており、ズルズルと体の関係を続けている。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希(HiHi Jets・猪狩蒼弥)の事件をきっかけに彼女の日常は崩れ始める……(原文ママ)
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なぜ無理矢理関係を結ばされているのに、相手に惹かれることがあるのか。
原作を知る人は、主人公は奪われた恐怖、パニック、黙ってることを選んでしまった後悔、でも体は本能で反応する自己嫌悪、結果自分を守るために、相手は彼女より自分を好き、と思い込むことで自己肯定に走っている部分もある、これを「惹かれてる」と表現していいのか?という疑問を呈していました。
こういう解釈の違いはあらすじにも表れていたようですが、6日までに以下の下線部分が削除されています。
ネットの声を見てヤバいと思ったんでしょうね。
無理矢理始まった関係でも快楽に溺れるなんて、やっすい何かみたいです。
三木康一郎監督は間に人を入れず奈緒さんと対話して理解を深めた、男だから理解できる部分、理解できない部分があって、奈緒さんと話し合った、という意味のことを言っていました。
が、やはり男だから理解ができていない部分と、奈緒さんが主張しきれない部分があったのでは。
原作者の声がせつない
「御社は公開しなかった」
「途中で諦めてしまった」
原作を託し、映像化されるまでにいろんなことがあったのでしょうね。
インティマシーコーディネーターを拒絶、そのことからだけでも想像できてしまいますが。
あらすじから「快楽に溺れて」が消えたのは原作者の意思なのかも。
奈緒さんはこの作品に出ることで少なからず傷つくことを覚悟したと話していました。
今頃泣いていないといいのですが。
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