2025年7月12に放送されたTBS『報道特集』が「外国人優遇は事実ではない」と報じたことで、SNSでは「現実を見ていない」との批判が噴出しました。
特に注目されたのが、中国人留学生への月額18万円支給と、それでも「足りない」と語る留学生の登場です。
18万円、そんなにあげてるの?!
日本が行ってる外国人留学生に対する支援制度の実態、日本人学生が得ている奨学金との格差、そして国際的な留学の常識を整理しました。
中国人留学生への支援制度の実態
代表的な制度は、博士課程向けのSPRING(次世代研究者挑戦的研究プログラム)です。
項目 | 内容 |
---|---|
支給額 | 年間最大290万円(最大4年で約1000万円) |
返済義務 | なし(完全給付型) |
対象 | 国籍不問(結果的に中国人留学生が約3000人) |
支援内容 | 学費免除・生活費支給・渡航費補助など |
受給対象のうち約6割が日本人、残り約4割が外国人で、中国人は全体の3割近くを占めています。
TBSの『報道特集』では、月18万円でも生活が苦しいと語る中国人留学生の声が紹介され、SNSでは「それでも足りないのか?」「留学にあたり自分で用意する資金はないの?」という疑問が広がりました。
SPRING以外にもある外国人留学生への援助制度
SPRINGは2026年から日本人に限定されることが決まっています。
しかし他にも外国人留学生に対する援助制度はあり、結果的にSPRINGよりも高額な援助がなされるシステムもできそうです。
文部科学省国費外国人留学生制度(MEXT Scholarship)
- 対象:学部・修士・博士課程の外国人留学生
- 支給内容:
学費全額免除
月額生活費支給(学部:約117,000円、修士:約144,000円、博士:約145,000円)
渡航費支給(往復航空券)
返還義務:なし(完全給付型)
JASSO(日本学生支援機構)外国人留学生支援制度
- 対象:私費留学生(国費以外)
- 支給内容:
月額48,000円の奨学金(給付型)
成績・経済状況・推薦などによる選考あり
返還義務:なし
大学独自の奨学金制度
- 多くの大学が外国人留学生向けに独自の奨学金を設けています
- 例:
東京大学「留学生特別奨学金」:月額150,000円(給付型)
京都大学「国際交流奨学金」:月額120,000円(給付型)
条件:成績優秀者、研究計画、面接など
地方自治体・民間団体の奨学金
- 地方自治体(例:東京都、神奈川県)や企業・財団が提供する奨学金も多数
- 例:
ロータリー財団奨学金
サントリー文化財団奨学金
日中友好協会奨学金(中国人留学生向け)
BOOST(次世代AI人材育成プログラム)
- 対象:AI・データサイエンス分野の博士課程学生
- 支給額:年間最大390万円(生活費+研究費)
- 国籍要件:なし(外国人も対象)
SPRINGは年間290万円です。ジャンルが限られますが、BOOSTを受給する外国人のほうがたくさんもらえますね。
日本人学生の奨学金制度との格差
一方、日本人学生の多くは貸与型奨学金(学生ローン)を利用しています。
制度 | 内容 |
---|---|
JASSO貸与型奨学金 | 月額2万〜12万円/返済義務あり |
JASSO給付型奨学金 | 月額2万〜7.5万円/対象者は限定的 |
平均借入総額 | 約310万円 |
返済困難者 | 自己破産に至るケースも報告あり |
貸与型、給付型合わせて奨学金は2人に1人が受給していると言われ、家庭の年収が低いほど受給率は高く、年収300万円未満の世帯では8割以上が奨学金を利用しているというデータもあります
給付型は存在するものの、対象者が限られており、実質的には借金を背負って学ぶ学生が多数です。
給付型は2割ほどで、主流が貸与型ですから、卒業後に平均約310万円の返済を抱えるケースも多く、それが結婚への壁、少子化の要素になっているという指摘もあります。
留学時の自己資金準備は国際的な常識
多くの国では、留学希望者が自国で資金を準備するのが基本です。
- アメリカ:留学生は年間300〜600万円の学費+生活費を自己負担
- イギリス:ビザ申請時に生活費の預金証明が必要(約150万円以上)
- ドイツ:学費は無料でも、生活費の自己資金証明が必須
- カナダ:留学生は自国学生の5倍以上の学費を支払う
わざわざこういうのを見なくても、自分が外国へ留学しようと思ったら、掛かりそうなお金を調べ、必要な金額を準備できる目処をつけてから、ですよね。
[関連商品]
それに対し、日本では外国人留学生に対して学費免除+生活費支給+渡航費補助まで提供されるケースがあり、「留学するのに自己資金が不要」という異例の待遇が存在しています。
そりゃ集まるわけです。
これを外国人優遇といわず何をいう?
奨学金制度の比較表(2024年度時点)
代表的な奨学金制度をもとに、外国人留学生と日本人学生が得られる奨学金のざっくりとした違いを比較した表です。
項目 | 外国人留学生(例:MEXT・SPRING) | 日本人学生(例:JASSO・大学独自) |
---|---|---|
学費 | 全額免除(国費留学生) | 自己負担が基本(一部減免あり) |
生活費支給額 | 月額12万〜18万円(SPRING等) | 月額2万〜7.5万円(給付型) |
渡航費 | 支給あり(往復航空券) | 支給なし(原則自己負担) |
返済義務 | なし(完全給付型) | あり(貸与型が主流) |
受給者割合 | SPRINGでは約39%が外国籍 | 給付型受給者は約20% |
申請条件 | 国籍不問/大学推薦 | 家計・成績・居住地など厳しい条件 |
支援総額例 | 最大約1,000万円(SPRING) | 平均借入総額 約310万円(貸与型) |
- SPRING制度では、中国人留学生が約3,000人受給しており、日本人学生よりも高額かつ返済不要の支援を受けていることが国会質疑で明らかになりました。
- 日本人学生の約半数が奨学金を利用していますが、その多くは返済義務のある貸与型です。
- 一方で、外国人留学生には生活費・学費・渡航費まで支給されるケースが多く、国際的にも異例の厚遇とされています。
外国人優遇でしかない
月18万円で少ない、と言ってる中国人は日本の学生がもらってる金額を把握してるのでしょうか。
参考までに、日本人が外国へ留学する際の援助制度もありますが、月々6万から16万の奨学金に、準備金、授業料の補助が合計で65万です。
やっぱりどう考えても外国人優遇ですよね。
日本政府は「国際競争力の強化」や「優秀な外国人人材の獲得」を目的に、外国人留学生への支援を拡大してきました。
岸田元首相は留学生を「国の宝」と言っていましたね。
日本の学生、さらに日本から海外への留学生への補助よりも外国からの留学生に対する補助が多いのが現実なのに、なぜ外国人優遇はない、なんて言う人がいるのか、心底驚きです。
しかも、その財源は日本人の税金です。
学生に対する経済的支援に絞ってこれです。
最高裁が外国人は生活保護対象じゃないと言っていても日本人よりも認定が受けやすく、その結果、きちんと年金を払ってきた日本人よりも受取金額が多いなんて話もありますし、東京では外国人に限り起業時に1500万円の援助というのもあります。
日本人ファーストは排外主義だとか、人間にセカンドもサードもないとか言っている人もいますが、これは平等なんですかね?
しかも、日本オンリーと言ってるわけじゃないのに。
それがわからないんだとしたら、騒いでる人はみな日本語が不自由なんでしょうかね。
コメント