2025年4月6日に放送されたフジテレビの『Mr.サンデー』では中居正広さんの「性暴力」をめぐる問題の生討論番組を放送しました。
その中で元フジテレビの女子アナウンサーである長野智子さんが被害女性を「脆弱」と表現しひどいと話題になっています。
2025年4月6日『Mr.サンデー』の出演者
以前は『だれかtoなかい』が日曜21時、『Mr.サンデー』は22時から放送されていましたが、『だれかtoなかい』が終了し、4月以降は『Mr.サンデー』が2時間に時間を拡大して放送されることになりました。
その記念すべき放送第一回、番組は「徹底生討論“フジテレビ問題”」とのテロップを掲げその名の通り徹底討論しました。
出演者は以下の6名です。
- ノンフィクションライターの石戸諭氏
- 経済ジャーナリストの後藤達也氏
- 東大准教授の中野円佳氏
- 弁護士の橋下徹氏
- 社会学者の古市憲寿氏
- 元フジテレビアナウンサーのジャーナリスト長野智子氏
それぞれ真剣に話していたのですが、その中で長野智子さんの主張には非難の声が上がっています。
長野智子の主張「被害女性は脆弱」
長野智子さんの発言はこちら。
「アナウンサー全員が脆弱でなんかもう仕方なく上納みたいななんか勝手になってますけどもほとんどの人達は真面目に、本当に真摯に、そういうことにイエスノーを言えて毅然としてやってるわけですよね」
他にも以下のような発言がありました。
「私、嫌だったら行かないと思うんですけど」
「やはりこの問題点って、女性アナウンサーでもいろいろいるので。私みたいなのもいるわけですよ。会社の中で例えば今回、いろんな社員の話を聞くと、よい仕事をするよりも、有名人とか政治家とか、太いパイプを持ってる方が評価される空気があったって、結構多くの社員から聞いて」
「ことさら、気にする人は、断りづらいと思ったのかもしれません」
これはつまり、被害女性は不真面目で真摯じゃなかったからそういうことにもイエス・ノーが言えず毅然とできなかったと。
さらに、被害女性はよい仕事をするよりも太いパイプを持つことを気にする人だったと。
長野智子さんは暗にそう言ってるのでしょうか。
論点は女性の行動なのか
そもそも被害者が行かなければ、と論点をズラしたらフジテレビは変わらないで良いことになります。
ノーが言えなかったのは被害者に責任があるのでしょうか。
番組の企画は「激論“フジテレビ問題”橋下徹×長野智子×古市憲寿ら6人で第三者委報告書を検証」というものでした。
その番組で被害者さえ現場に行かなければよかったと発言することは正しいのでしょうか。
第三者委員会の調査報告書によると、被害女性以外にも仕事関係者と2人きりに「置き去り」にされたことのある人はいたし、政府関係者やスポンサーなどのセクハラを受けた人もいました。
女性が断りにくい状況を作り、セクハラあって当たり前、会社に行っても社員は後回しみたいなこういう体質が問題だとされており、論点なはず。
それなのに、女性側に原因があるように言われては。。
フジテレビが変われるわけがないと思ってしまいます。
長野智子はフジテレビでセクハラを笑って受け流していた←毅然?
長野智子さんは現在62歳。
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踏みにじられた未来 御殿場事件、親と子の10年闘争 – 長野 智子
フジテレビに入社したのは1985年で、男女雇用機会均等法が成立したのはこの年です。
長野さんは契約ではなく正社員として女性アナウンサーが採用された初めての年だったそう。
「当時の女性たちは“男性と同じように働ける”と証明すべく我慢を強いられた時代でした。
長野さんも、挨拶レベルでの下ネタやボディタッチは当たり前。バラエティ番組では、後ろから胸をわし掴みにされたり、お尻を触られたり、ロングスカートの中に入るなど、今では考えられないような悪質なセクハラを受けることも日常茶飯事でした。そして、それらを笑って受け流さなければ“やっぱり女性は使えない”と言われてしまう時代だったのです」(芸能関係者)
女性自身
日本でセクハラへの認識が大きく変わったのが2018年の福田淳一元財務事務次官によるテレ朝女性記者へのセクハラ騒動だったと言われています。
長野智子さんはこの件について以下のような文章を公開しています。
《「セクハラ」によって与えられる、とてつもなく屈辱的で、相手のみならず自分にも嫌悪を抱き、自らを責めてしまう思いを、加害者は想像することすら難しいのかもしれない。
同じようにそうした経験があるにも関わらず、気にしていては仕事にならないと必死に踏みとどまって、受け流していた「昔の女性」を福田氏が「今の時代」と比べているのだとしたら、その責任の一端は我々世代の女性にもあるのかと思うといたたまれなくなる》(2018年04月21日『85年、私はアナウンサーになった。 セクハラ発言「乗り越えてきた」世代が感じる責任』)
この文章を今長野智子さんが読んだら、被害女性に対して申し訳なくならないのでしょうか。
「相手のみならず自分にも嫌悪を抱き、自らを責めてしまう思い」がある人に、毅然としてなかったからだ、他に欲があったからだ、と、言えるのでしょうか。
長谷川豊が語るフジテレビが女子アナに求める気質は長野智子が作った
長谷川豊さんは堀江貴文さんとの対談でフジテレビにとっての女子アナを次のように語っていました。
- フジテレビは「女性アナウンサー」ではなくて「女子アナ」
- 女子アナはキャバ嬢
- 下ネタはうまくかわし、うざく絡むおじさんはうまく転がすことが求められる
先に引用した女性自身の記事の以下の部分から考えると、長野智子さんもその文化を作る一端を担ったということですよね。
「長野さんも、挨拶レベルでの下ネタやボディタッチは当たり前。バラエティ番組では、後ろから胸をわし掴みにされたり、お尻を触られたり、ロングスカートの中に入るなど、今では考えられないような悪質なセクハラを受けることも日常茶飯事でした。そして、それらを笑って受け流さなければ“やっぱり女性は使えない”と言われてしまう時代だった」
男女雇用機会均等法が施行される前後は当事者じゃなければわからない大変さがあったのでしょう。
嫌だったけど、気にしていては仕事にならないから受け流して過ごした長野智子さんも大変だったのでしょう。
でもその時に笑って受け流してしまったのが、毅然と拒絶しなかったことが、フジテレビの「女子アナはおじさんを手のひらで転がしてなんぼ」という難しい時代を作ったのではないでしょうか。
長野智子さん本人も気づいてたみたいなんですけどね。
同じようにそうした経験があるにも関わらず、気にしていては仕事にならないと必死に踏みとどまって、受け流していた「昔の女性」を福田氏が「今の時代」と比べているのだとしたら、その責任の一端は我々世代の女性にもあるのかと思うといたたまれなくなる
長野智子退社後のフジテレビはズレてるのが当たり前の世界だった
長谷川豊さんは現在49歳で1999年にフジテレビに入社しています。
長野智子さんは1985年入社、1995年にフジテレビを退社してるので被ってはいませんが、長野智子さんがいないフジテレビはこのようになていったとのこと。
- 女子アナはキャバ嬢とし、社員の一人が飲みすぎてたとえトイレじゃないところで大小しても「アレおもしろかったな!」とするのがフジテレビにとって「イケてる」人間
- そういったことに批判的な考えを持つ人間は、フジテレビでは「ダサい」とされてきた
- とにかくズレてる。このズレが今回のことに関わる
- 上納文化はある
- 今回の件で、当日中嶋優一、中居正広、どちらが誘ったのかはどうでもいい
- それに至る前に、「中居さんが全部決めてるから」「中居さんの言うとおりにしなきゃだめ」と散々刷り込んでいる
- それでは断れるわけがない。
- 直属の上司だし中嶋優一は次の次の社長と言われているし
実際、いい仕事よりもコネで出世するという人はいると思います。
まさに中嶋優一さんがそうですし、「女子アナ」の中にはそういう人もいたのでしょう。
まず大学生のときにそういう人脈を作るためのサロンでバイトする人もいるらしいですから。
そういう人だけ接待に連れて行っていたらWIN WINだったでしょうに。
もしかするとそのへんで、松本人志さんの好みが影響していたのでしょうか。
松本人志さんに女性を紹介していたとされるスピードワゴンの小沢さんや松本人志さんによると、
「松本さんの性癖って本当に凄く変わっているの。AV女優とかプロの女性はダメで、ファンの子もダメなのよ。そこに価値を感じないわけ」(小沢)
「黒髪の図書館司書みたいな子が好み。」(松本)
ということでしたから。。
追記:長野智子謝罪(2025年4月7日)
昨日のMRサンデーでの私の発言について、私の言葉足らずのために本意を伝えることができず反省しています。…
— 長野智子 (@nagano_t) April 6, 2025


宮根誠司さんと長野智子さんのこの言い方はちょっとひどいと思います。「ほとんどのアナウンサーは真面目に真摯にそういうことにもイエス・ノー言えて毅然としてきちんとやっている」って。中居氏に性暴力を受けたA子さんは、不真面目で真摯にやって無いからイエス・ノーが毅然と言えなくてこんな問題… pic.twitter.com/nJAg948b1O
— ふーちゃんはつむじ風🇯🇵 (@nekomenomiku) April 6, 2025
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