Mrs.GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル、ミセス)にパクリ疑惑が浮上しています。
ライラックとダーリンがある曲に似てるというのですが…
※個人的な結論を先に言うと、曲は無数にあるしその中を探せば一部が似てるような曲はあって当たり前だと思っています。
ライラックが似てるのは…
『ライラック』が似てると言われているのは、2004年リリースのフリーゲーム「ゆめにっき」の「笛の部屋」と呼ばれるシーンで流れるBGMです。
テンポがゆっくりなこの曲を速度を上げると『ライラック』のサビ
青に似たすっぱい春とライラック~♪
そっくりだと。
こちら「ゆめにっき」の「笛の部屋」と呼ばれるシーンで流れるBGM
こちらがライラック
ちなみに『ライラック』は2024年3月3日にリリースされた、同年4月から放送開始のテレビ東京系アニメ『忘却バッテリー』のオープニング曲です。
『青と夏』のアンサーソングだとか。

青と夏(通常盤) – Mrs.GREEN APPLE
ダーリンが似てるのは…
『ダーリン』は歌いだし部分がback numberの『水平線』のサビと似ていると言われています。
『水平線』はコロナ禍に開催中止となった2020年の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)を目指していた高校生たちへ向けて書き下ろされた、2021年8月13日リリースの曲です。
こちらがback numberの『水平線』サビ部分です。
『ダーリン』は2025年1月20日にリリースされた楽曲で、NHKのイベント・特別番組『Mrs. GREEN APPLE 18祭』のテーマソングとして書き下ろされたものです。
パクリ、サンプリング、オマージュの違い
パクリとは
他人の作品やアイデアなどを無断で自分のものとして使う行為やその作品です。
過去、パクリを指摘された楽曲は多いですが、たいていは「そりゃこれだけ曲があれば似ちゃうものもあるよね」で済むレベルでした。
そんな中、珍しかったのがGacktさんの『ANOTHER WORLD』です。
Josie And The Pussycatsの「3 Small Words」にそっくりだと長くパクリ疑惑がありましたが、後にGacktさんのゴーストライターを務めていたYOUさんがパクったことを認めていた、なんてことも。
過去、裁判にまで発展したパクリ騒動は、記念樹事件と言われる事件です。
これは小林亜星さんと関連会社が『記念樹』の作曲者である服部克久に対し、『記念樹』は『どこまでも行こう』を無断で編曲したものであることを理由とした著作者人格権(同一性保持権、氏名表示権)侵害および編曲権侵害に基づく損害賠償を求めて1998年(平成10年)に提訴した事件です。
最高裁まで行き結局服部克久さんが負け『記念樹』は著作権法違反だとされました。
サンプリングとは
音楽におけるサンプリングは、過去の曲や音源の一部を流用し再構築して新たな楽曲を製作する音楽製作法・表現技法のことを言いいます。
パッヘルベルの『カノン』は割と多くの曲でサンプリングされていますし、最近だと韓国アイドルIVEの『Supernova Love』は、坂本龍一さんの『戦場のメリークリスマス』を、

Supernova Love – IVE
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JO1の『BE CLASSIC』はベートーヴェンの『運命』をサンプリングしています。

BE CLASSIC (初回生産限定盤A) (特典なし) – JO1
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オマージュとは
尊敬や敬意を表す言葉で、他者の作品や人物、発言などに影響を受けて、似た作品を創作することをいいます。
米津玄師さんのアルバム『BOOTLEG』は「海賊版」という意味で、いずれの曲も他の音楽家、媒体の異なる創作物へのオマージュがキーワードになっています。
例えば初音ミクとか、小説『砂の惑星』とか。

BOOTLEG – 米津玄師
プロの見解は、「◯◯だから似て当然」
最初から最後までよく似てるならともかく、「一部が似てる」のレベルはもう仕方ないんじゃないかと思います。
こういったパクリ疑惑騒動は本当によくありますが、本人が騒ぎ裁判になった例というのは上記小林亜星さんの「記念樹事件」が珍しいくらいで、あの曲が最高裁で著作権法違反となったことについて異議を唱える有名作曲家は複数いたといいます。
そのあたりを書いてるのがこちらの記事です。
このように、外野が勝手に騒ぐ例は多いが、実際にミュージシャン同士で争いになったり、裁判沙汰に至った例は意外と少ない。中島みゆきもエリック・クラプトンも、そんなにヒマではないということか。どうも一般人の耳にはパクリのように聞こえる曲でも、プロの音楽家にいわせれば、「ありふれた表現で似て当然」「オリジナリティを主張できる箇所を比較すると似ていない」と分析できるケースが多いようだ。
作者Aの曲が作者Bの曲に似てると一般人が騒いでも、プロからすると、どちらも特段めずらしい表現ではなく、探せば他にも似てる曲はありそうだよね、ということでしょうか。
↓こういう、絵柄がどう見ても一緒というのとはまた違いますし。
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