音楽家の坂本龍一さんが脱原発集会で「たかが電気のために命を危険に晒してはいけない」といった発言をし、ネットで坂本さんに対する批判が大きくなっています。
がしかし、坂本さんの発言全部を見ると、その批判にも疑問が…
※シンセサイザーを駆使したYMOで活躍
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坂本さんは以前から反原発活動をしています。現在はニューヨーク州在住ですが、7月6日には毎週金曜日に首相官邸前で行われている15万人規模のデモに参加し、16日には東京・代々木公園で行われた「さようなら原発10万人集会」(主催者発表17万人規模)の壇上に立っています。
<以下引用>
6日にはテレビのインタビューで、
「命あっての経済なんで、命を蔑ろにする経済は、間違っているんですね」
そして、16日の集会では壇上に上がりこんなことを語った。それは、これだけ大勢の人が集まっているのは、原発に対する恐怖、政府の原発政策に対する国民の怒りが充満している証拠だとし
「言ってみれば、たかが電気です。たかが電気のためになぜ命を危険に晒されなければいけないのでしょうか?たかが電気のために、この美しい日本、そして、国の未来である子供の命を、危険に晒すようなことをすべきではありません」
<J-CASTニュース>
坂本さんは先日の福井県の大飯原発再稼働を受け、福島のような原発事故がまた起こる可能性を示唆し、原発に頼らない電力供給を呼びかけたつもりだったようです。
この言葉には賛同者もいるものの、「たかが電気」と表現したことで非難も浴びています。
<以下引用>
「あんたの楽器、電気があってナンボやろ」
「これから猛暑日が続くってのに『たかが電気』はねえ。電気無くなったら熱中症で死ぬ人いっぱい居るよ?」
「だったら、これから電気の無い生活をして、手本を見せればいい」
「反原発なのに、なんで反電気になってしまったのか意味がわからない」
などがネットの掲示板やブログに書き込まれ、坂本さんバッシングが広がっている
書き込みの中には
「坂本さんは言葉遣いに慎重になるべきで、誤解されないように、原発以外に代替エネルギーはある、という表現をすべきだった」と苦言を呈しているものもある。
<J-CASTニュース>
坂本さん自身、今年から日産の電気自動車のCMに出ているのも批判を呼んでるようです。
確かにシンセサイザーは電気がないと動きません。それどころか人の生活は電気がないと回らないというのは、昨年の計画停電で心底感じました。
電気がないと助かるはずの命が助からないというのも、よくわかります。
坂本さんはそんなこともすっ飛ばして反原発を訴えているのか、疑問に思ってスピーチの動画を探してみました。
こちらが坂本さんのスピーチの動画です。
書き起こしたものがこちらです。
日本人、一市民として来ました。
これだけの人が集まったのはやはり、原発に対する恐怖が充満しているんだと思います。
残念ながらデモだけでは原発は止まらない。
集会を催したり、脱原発の首長を増やしていくことが必要です。
だがすぐには止まらないので、長期的にはなりますが、我々ができることといえば、電力会社への依存を少しでも減らしていくこと。
こういう声がプレッシャーとなって届きますし、電力会社の料金体系、発送電の分離、地域独占といったものが自由化していけば、原発に頼らない電気を我々市民が選ぶことができる。
また、一家庭や事業所がどんどん自家発電していく。
そうやって時間はかかるが電力会社への依存を減らせば、私たちの払うお金が電力会社に行き、原発の施設になるわけですから、そういうところに払うお金を少しでも減らしていくことが大事だと思っています。
言ってみれば、たかが電気です。たかが電気のために、なんで命を危険に晒さないといけないのでしょうか。
2050年頃には電気は各家庭、事業所で自家発電するのが当たり前の世の中になって欲しい。
たかが電気のために、この美しい日本、そして国の未来である子供たちを危険に晒してはいけない。
お金より命です。経済より生命、子供を守りましょう。日本の国土を守りましょう。
最後に、「福島の後に沈黙していることは野蛮だ」が私の信条です。
発言全部を見れば、「電気は不要」と言っているわけではないのはわかります。
「たかが電気」というショッキングなところだけ抜粋されて気の毒になりました。
坂本さんは現在はアメリカに住んでいて、自分は放射能の影響を受けないのにこうやって脱原発運動に参加しています。
一方で、日本に住み、放射能汚染が身近な人たちが、報じられた言葉の端っこを捉えてどうのこうの批判している…
ちなみにこの坂本龍一さんのスピーチは、「坂本龍一 さようなら原発 スピーチ」のキーワードで動画検索したらすぐ出てきました。
同じ様に電気を生み出す方法があるならば、より安全な方がいいと思うのはおかしいでしょうか?
坂本龍一さんのツイッターはこちらから
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