「『セクシー田中さん』脚本:相沢友子」が許せなかった芦原妃名子氏。日テレに失望 | 芸能スクープ、今旬ナビ!!

「『セクシー田中さん』脚本:相沢友子」が許せなかった芦原妃名子氏。日テレに失望

2023年10月クールに放送された日テレの連ドラ『セクシー田中さん』の原作者である漫画家の芦原妃名子さんが2024年1月29日に亡くなった問題で、日テレがようやく調査結果を発表しました。

結論として挙げたのは

「最終的には、放送されたドラマは本件原作者の意図をすべて取り入れたものとなったと日本テレビも小学館も認識している」

で、当初の見解から何も発展がないと非難の声があがっています。

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本来ならGW明けに公表するはずだった調査結果

『セクシー田中さん』の原作者芦原妃名子さんが1月29日に亡くなり、日テレはすぐに次のようなコメントを発表しました。

 

【以下、日本テレビの公式サイト全文】

芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。

2023年10月期の日曜ドラマ「セクシー田中さん」につきまして 日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら 脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。

本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております。

日テレ公式サイトより

社会問題になる中で、日テレは2月15日に調査委員会を設置することを公表。

その結果はGW明けに行うこととするも、4月下旬になり報告が遅れることを明かし、本日2024年5月31日金曜日、17時過ぎに報告を発表しました。

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すべてが姑息な日テレ

まず、報告が金曜日の17時ということが逃げています。

土、日は基本的にニュースが少ないからある程度ダメージがコントロールできるんですよね。

報告の内容もいろいろ思うところがありますが、結論が芦原妃名子さんが亡くなった直後とまるで変わっていないんですよね。

「最終的には、放送されたドラマは本件原作者の意図をすべて取り入れたものとなったと日本テレビも小学館も認識している」

これは芦原妃名子さんが疲弊しながら脚本に手を入れた結果です。

最初から芦原妃名子さんの希望を汲んで作品作りをしていたら、いろいろな軋轢はなかったはずです。

日テレの報告書にある芦原妃名子さんの切実な声

本件原作者は本件脚本家の 1 回目の投稿があった直後の 2023 年 12 月 25 日に関
係者と食事をした。食事の際、本件原作者は以下の内容を関係者に話した。

・ A 氏は最初から本件ドラマについて改変ありきで進めていたのではないか
疑問に思う。
1 話から 8 話までは自分が大変な思いをして修正したものであるのに本件
脚本家の手柄にされており、自分が脚本として作った 9,10 話が駄作と言わ
れているのが許せない

日テレ報告書

これは日テレが公開している報告書の一部です。

報告書は90ページに渡っており、新聞やニュースではすべてを報じることはできないと思いますが、これはとても大事な部分なのでは。

なお、A氏というのは企画立案した人ということで、チーフプロデューサー、プロデューサー、誰のことを言っているのか明確ではありませんでした。

 

脚本家相沢友子氏も哀れ

一方、脚本を書いた相沢友子さんは『セクシー田中さん』放送終了後にSNSに以下のような投稿を行いました。

 

 

「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急遽協力という形で携わることとなりました」

(12月24日)

 

「『セクシー田中さん』最終回についてコメントやDMをたくさんいただきました。まず繰り返しになりますが、私が脚本を書いたのは1~8話で、最終的に9・10話を書いたのは原作者です。誤解なきようお願いします。」

(12月28日)

 

このように投稿した背景を日テレの調査委員会に対し次のように説明したようです。

 

2023 年 12 月 24 日の投稿については、「9 話の脚本をなぜ書かなかったのか?」
という心配のメッセージが本件脚本家のインスタグラムに届いていたため、何ら
かの説明をしなければと考えた。その際、本件脚本家は、自分が体調不良やスラン
プなどで周囲に迷惑をかけたと受け取られるのは困ると思い、状況を書ける範囲で正直に伝えた。


同月 28 日の投稿については、放送終了後、9,10 話を本件脚本家が書いたと誤解
した視聴者から、本件脚本家に多くのメッセージが届いた。なかには物語の内容に
不満を訴える声もあり、本件脚本家は再度自分が書いていないということを明確
にする必要があると感じ、インスタグラムに投稿した。また、状況を鑑みて脚本家
の権利として商習慣上「脚本協力」のクレジットが表記されるのが当然であり、日
本テレビの対応を容認できないと考えていたため、2 度と同じことが繰り返されな
いようにという思いを書かずにはいられなかった。本件脚本家は、当時は何をどこ
にどう訴えても届かないことに疲弊し、精神的にも限界だった。

日テレ報告書

哀れです。

相沢友子さんは相沢友子さんで、与えられたことを全うしたつもりだったんでしょう。

だから高評価を得たのに、最後原作者がしゃしゃり出てきちゃったから、という気持ちだったのでしょう。

でも芦原妃名子さんからすると、1話から8話、すべて手を入れなければいけなかった、自分が手を入れたからこその高評価だった。なのに脚本家として別人がクレジットされるのは許せない、そういう思いだったよう。

結論:相沢友子は芦原妃名子さんの希望を知らなかった

ドラマ化にあたって「必ず原作に忠実に」「終盤は本件原作者が脚本を書くことも
あり得る」という条件については、A 氏自身そのような条件が小学館から出されているという認識がなかったため、A 氏から本件脚本家には説明されていない。

日テレ報告書

ここまで相沢友子さんが不満を持ったのは、相沢友子さんが主張していたように、芦原妃名子さんの「原作そのまま」「場合によっては脚本を自分で書く」という希望を知らなかったから。 

しかも、A氏もその希望を知らなかったと。 

じゃあ芦原妃名子さんの希望はどこで消えてしまったんでしょう。 

そのあたりは来週早々になされる小学館の調査報告にあるのでしょうか。 

ただ、相沢友子さんは『セクシー田中さん』の脚本を依頼されたとき、原作者について質問したところ、「難しい人(こだわりが強い)」と聞いていたとのこと。 

そしてA氏は芦原妃名子さんが過去の実写化で脚本に対しかなり厳しい態度で臨んでいたということは知っていたとのこと。 

その上で、原作の改変で炎上したことがある相沢友子さんをなぜ起用したのか。

 また、何度も脚本の書き直しが芦原妃名子さんから言われたのであれば、上辺でなくきちんと根本解決しようという姿勢が必要だったのではと思わざるを得ません。

芦原妃名子さんの願いが届いていなかったアクマゲーム

漫画とドラマは媒体が違うので、本当はドラマ用に上手にアレンジして頂
くのがベストだって事は、私も良く理解してるんですよ。
(中略)
でも、ツッコミどころの多い辻褄の合わない改変がされるくらいなら、しっ
かり、原作通りの物を作って欲しい


これは私に限らずですが…

作品の根底に流れる大切なテーマを汲み取れない様な、キャラを破綻させ
る様な、安易な改変は、作家を傷つけます。悪気が全くないのは分かってるけ
れど、結果的に大きく傷つける。それはしっかり自覚しておいて欲しいです。
最終的に意にそぐわないモノが出来ても、多くの作家は公に文句が言えない
です。莫大な数の役者さんスタッフさん達が、労力や時間を使って関わってく
ださってる事を知ってるので。その事に対しては、本当にとても感謝をしてい
るので。なので、闇雲に原作を変えるな!と主張しているわけではなく、より
よいドラマになるように、自分を守るために、現段階で出来るベストを尽くし
ているつもりです。
宜しくお願い致します。
(2023 年 9 月 11 日、C 氏から原作者の意見として A 氏に送付されてきた Word
文書より。)

日テレ報告書

芦原妃名子さんのこの言葉が脚本家を含めてスタッフ全員に周知されていたらと思います。

 「ツッコミどころの多い辻褄の合わない改変」は、『セクシー田中さん』と同じ枠で現在放送されている『アクマゲーム』原作者も訴えていました。 

『アクマゲーム』が制作されたタイミング的に『セクシー田中さん』の教訓を活かすことができなかったのかもしれません。 

が、要するに日テレが漫画原作の作品を実写化する際には辻褄なんて考慮しないのが当たり前、原作者や原作にリスペクトがなくてということですよね。 

がっかりです。

 週明けには小学館のサイドからの調査報告もなされる予定です。

 そちらも合わせてよく読みたいと思います。

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