作家の百田尚樹さんが日本保守党の党首として発言した少子化対策があんまりに常識はずれだと話題になっています。
主張をまとめると以下の通り。
- 女性は18歳で大学に行かせない
- 25歳までに結婚しなければ一生結婚できない
- 30歳で子宮摘出
「SF」を免罪符に展開したあまりにひどい主張の詳細とは。
百田尚樹の少子化対策が苛烈
2024年11月8日に公開された「ニュース朝8時」という百田尚樹さんと有本香さんのYou Tube番組で、少子化対策について語る場面がありました。
以下が文字起こしです。
百田「社会構造を変えるしかない。いいわけじゃない、いいわけじゃないよ、たくさんある案の一つとして、女性は18歳から大学に行かせない。仮にやで、そのくらいの構造変化が必要」
有本「今のように、女性が自由に自己実現が追求できるようになってくると、ましてや今の日本はサービス業が強くなってくると、力仕事がいらないから、女性のほうがコミュニケーション能力高いから、女が仕事で活躍できるようになると、やっぱりそっちに行きますよ」
百田「もう一つね。25歳を超えて独身なら生涯結婚できない。はよ結婚せなあかんと」
有本「笑。無茶苦茶なことをやらないといけないってことですね。SF。確かにね、子供を産むっていうことには時間制限があるってことを、やっぱり本当に子供たちに教えるべきだとは思います」
百田「そうほんで30歳を超えたら、子宮摘出手術をすると」
有本「やめなさい、こら」
百田「いやこれSFやで」
有本「SFでも、それはちょっといくらなんでも」
その後は、時間制限があるっていうことを、今の女の子たちは教えてもらっていない。いつまでも若いと思っている、自分の体に時間制限があるということを知るべき、と・・
ちょっとこれは、あまりにすべての人が健康であることを前提にし過ぎているし、人としての尊厳を無視していて、それこそSF作家がショートショートで描くダークな未来すぎます。
それに、え、子供って女性一人でできるんでしたっけ。
そして男性には時間制限がないとでも?
確かに70歳で父になった、なんて話もありますが、劣化、老化はありタイムリミットがあることは有名ですが。
切り取り前から遡って観たけど、
— 遊楽人 (@miyagiyurakuzin) November 9, 2024
途中まで真面目な少子化対策議論。
「少子化対策には社会構造まで変えなきゃ」
ここから、百田氏がSFと言い訳しながら脈絡もなく言う必要もない女性の権利を奪う暴論ネタをぶっ込む。終わりかと思えば次に子宮摘出ネタ。有本氏が慌てて止める。
印象変わらんな。 pic.twitter.com/Fo5blUv3mf
「SF」は石丸伸二のマネ?
「SFやで」、と言っていたのは、恐らく石丸伸二さんの真似なのでしょう。
田嶋陽子氏から具体的な少子化対策について問われた石丸氏は「究極的にはですよ。あと100年か200年かかると思うんですけど」と前置きしつつ「たとえば、一夫多妻制を導入するとか、遺伝子的に子どもをうみだすとか」と大胆な提言を行った。石丸氏は「SFの話に聞こえるかもしれないですけど、そこまでやらないと人口減少が止まらない。どう考えても無理です」とも強調していた。
週刊女性プライム2024年7月
これもキモいおっさんだと酷評されていました。
別に男性の数が少ないから少子化というわけではないのに、なぜ一夫多妻なんて話を出したのか。。
「SF」に逃げた政治家なんて。。
「SF」つけたら何を言ってもOKなのか
有本香さんはこの炎上について以下のようにコメントしています。
前半は真面目に少子化対策について話していました。
それはそれ、これはこれ。キリトリ関係ないです。
SFとは
科学が進んだ未来の社会とか宇宙とかを舞台とする、空想的な小説。空想科学小説。
つまり空想だと言いたいんでしょう。
空想だから何って話で、なぜ女性は子供を生むために高等教育を受けさせず25歳までの結婚を義務付け30過ぎたら子宮摘出、なんて言われないといけないのでしょうか。
そんな無理だ無理だと言いながら「SF的な」解決策を考える前に、その作家としての空想力を有効に使って驚くべき有益で現実的な解決策を考えては。
できそうなことはいろいろあるのに。。
ちょうど厚生労働省が106万円の壁をなくそうとしています。
週20時間以上働いてる人は社会保険に加入しなければいけなくなるとか。
今現在子育てしている人の中には、子供との時間を確保しつつ少しでも収入を増やそうとパートタイムで仕事をしている人もたくさんいます。
ただでさえ物価が上がっているのにこの106万円の壁がなくなることで手取りが減って、もうひとり生むことを断念する人も出てくるのでは。
厚生労働省は低所得者が社会保険を支払うことで老後の補償に、なんて言っているようですが、もらえるかわからない老後の補償なんて言われても、今目の前が精一杯ですから。
そもそもその老後もらえる年金よりも外国人がもらってる生活保護の方が多い、なんて話もあるようです。
一生懸命生んで育てた子供が報われないかもしれないのに子供生む気になれるか、考えてほしいです。
少子化対策を本気で取り組むなら、SFの世界へ飛ばないでもリアルにできること、いろいろあるんじゃないでしょうか。
百田さんって、故やしきたかじんさんと妻・さくらさんの「殉愛」を描いてみたものの、ノンフィクションなはずがまるで嘘ばかり書いてたという話ありましたし、期待はしていませんが。。
追記:百田尚樹謝罪と弁明(2024年11月10日)
炎上したので弁明と謝罪をしています。
この後に、たとえ話でもするべきではなかった、と謝罪しています。
でも「女性の出産年齢に限界がある」ことを知らしめるためのSFが女性の高等教育なし、25歳までの結婚、30歳で子宮摘出とは。
確かに昔は女性は高等教育を受けないでいい、みたいな時代がありました。
それを明治大正の頃に日本の女性解放運動があり少しずつ変わって今があるわけです。
確かに極端なフェミニストもいますけど、それはそれ。
タイムリミットを知らしめるためとはいえ、女が高校卒業したらひたすら子供を生むために進め、みたいな構造改革が必要と言ってるのは問題です。
女性には子孫を増やす以外考えるなと言ってるよう。
ご自身が政治家であり作家だと言っていましたし、妄想はそちらで爆発していただければ。
百田尚樹『殉愛』の真実 – 角岡 伸彦, 西岡 研介, 家鋪 渡, 宝島「殉愛騒動」取材班
コメント
youtubeの
【米大統領選】裏で何があったか解説します。(J.モーガン准教授)
日本を取り戻す最後のチャンスだって
是非見てみてください。
よろしくお願いします。